総合型地域スポーツクラブの現状と課題

2008 年 5 月 19 日 · Filed in スポーツコラム, 総合型地域スポーツクラブ

徳島県体育協会クラブ育成アドバイザー北條種一

地域住民が世代を問わず多様な種目やレベルで気軽にスポーツに親しむことできる総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型クラブ)は、文部科学省が平成7年度から育成モデル事業を始め、現在、日本体育協会の委託事業としてクラブ育成に向けて全国各地で取り組みが行われております。

 本県においては、平成19年度末現在で既に17市町村で24クラブが設立済みまたは設立準備中であります。20年度においては、新たに3クラブが日本体育協会へ新規申請中であり、県下20市町村に27の総合型クラブが立ち上がることになります。このことは偏に関係市町村やスポーツ団体等、スポーツ振興に関わる多くの関係者の努力の賜であります。
 全国的には、平成19年7月1日現在で、準備中を含めて894市区町村(48.9%)において2555の総合型クラブが誕生しております。富山県や兵庫県では、平成12年のスポーツ振興基本計画の平成22年までに全国の市区町村に1ヶ所以上の総合型クラブの育成を目指すという数値目標を既に達成しておりますが、今後それぞれの都道府県において一層進展が予想されます。
 本県といたしましても、未育成地区の解消に重点を置きながら更なるクラブの増設や長期的展望に立ったクラブ運営の充実・発展を目指して取り組まなければならないと考えております。
 それぞれの市町村においては、これまで各種のスポーツイベントや種目別大会など多くのスポーツ活動が盛んに行われてきました。しかしながら、子どもたちから高齢者まで誰もが日常的にスポーツに親しみ交流を図ることのできる環境整備は充分とは言えません。 また、子どもたちの体力向上や中高年の生活習慣病予防、高齢者の介護予防や生き甲斐づくりといった様々な今日的課題も数多く横たわっております。
 こうした中で、地域住民の多様なニーズに対応しながら誰もが体力や技能、興味や関心に応じて等しく参加できる総合型クラブの果たす役割が益々高まっております。ところが総合型クラブについて、多くの人々にはまだまだ知られていない現状があり、更なる啓発活動の必要性を痛感しているところであります。
 市町村においては、今後、5年後10年後を視野に入れたスポーツ振興計画の策定の中で、総合型クラブの位置づけを明確にしたスポーツ振興の方向性を示していただきたく、このことが何よりも大きな力になるものと思われます。
 総合型クラブは、地域の人々によって主体的に運営される公益性を重視したスポーツクラブであります。クラブの設立・運営に当たっては、スポーツサービスを提供する立場でのスタッフや指導者等の人材の確保は最も重要な要素であります。体育協会関係者やスポーツ指導の有資格者はもとより、地域における特異な人材は地域の貴重な宝であります。1人でも多くの皆さんが、自らスポーツを実践することに加えてスポーツ活動を支える立場に立ってほしいと考えます。スポーツをする人、観る人、支える人が一体となった交流の場は、潤いと活力に満ちた住みよい地域づくりになくてはならないものとなることでしょう。
 スポーツの良さは仲間ができることにあります。日本体育協会では、新年度から総合型クラブのネットワークづくりに向けた全国組織として総合型クラブ全国協議会(仮称)を立ち上げる考えがあります。本県におきましても、クラブ数の漸増に伴いこれまで実施してきた総合型クラブ連絡協議会を一層充実するなどネットワーク化に向けた対応が求められております。地域クラブ内での人々の交流の場は、県内でのクラブ間交流の場へと進展し全国へと広がりを見せていくことでしょう。

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