膝関節

2009 年 6 月 26 日 · Filed in ◎お役立ち情報, スポーツ医科学

スポーツ障害-外傷と障害-

ア 内側側副靱帯損傷

(症状・原因など)
  • スポーツなどにより下腿を外反制された時に起こり、スキー、アメリカンフットボール、柔道、ラグビーなどで多く発生します。損傷の程度により、靱帯の一部が切れるものから、完全断裂さらには内側損側副靱帯だけでなく、内側半月板や前十字靱帯まで切れるものもあります。膝内側の疼痛、可動域制限(膝完全伸展不能)、関節腫脹(中程度以上の損傷では関節内に血液が貯まってきます)、不安定性(完全に切れた場合に見られます)などです。
(対処・処置法)
  • 内側領側副靱帯単独損傷で、軽度(関節腫脹がない)で3週問の弾性包帯固定を行い、中程度以上の単独損傷であれば大腿より下腿果部までのギプス固定4〜6 週行います。固定中も大腿四頭筋セッテング、患肢挙上訓練を行い、筋萎縮を予防することが大切です。固定除去後は可動域訓練を行うとともに積極的に筋力強化訓練を行い、筋萎縮の回復に努めることが必要です。
  • 内側損側副靱帯損傷に他の損傷の合併する複合靱帯損傷の際には手術治療が必要となることが少なくありません。

イ 前十字靱帯損傷

(症状・原因など)
  • ジャンプの着地などで膝が内に入った(外反)というのが受傷機転として多いのですが、ジャンブして空中で切れたり、方向転換での捻り勤作で断裂することも少なくありません。原因となるスポーツはバスケットボール、スキー、バレーボール、サッカーなどです。受傷時の断裂音(プチッと音がしたとの訴え)、疼痛、関節腫脹(必発)などです。また、受傷時に膝がはずれたと感じることもあります。
(対処・処置法)
  • 軽微な部分断裂など特殊な場合を除き、ギブス固定などの保在治療は無効であり、前十字靱帯の形態およびその機能を取り戻すためには手術(靱帯再建術)が必要となります。しかし、前十字靱帯再建術は侵襲が大きな手術であり、術後リハビリテーションに長期間(6〜12カ月)かかるため、若年者で日常生活に支障があるか、スポーツ活動を積極的に望む場合が手術の適応と考えられています。

ウ 半月板損傷

(症状・原因など)
  • 重が負荷された状態で屈曲した膝関節に異常な回旋が加わると、半月板の一部が脛骨と大腿骨の間にはさまって損傷を受けることになります。自然治癒はあまり期待できず整形外科的治療が必要となります。

エ オスグッド病

(症状・原因など)
  • 発症は概ね10〜14歳です。膝蓋骨の少し下方の盛り上がったところ(脛骨結節)に痛みと腫れを生じます。膝を伸ばす動作は、大腿の前面にある大腿四頭 筋が収縮して、脛骨結節が引っ張られて起こります。しかし、この部分は成長期ではまだ軟骨の部分が多くて弱いため、繰り返し引っ張られることで骨や軟骨の一部が剥がれます。これが、オスグッド病です。
(対処・処置法)
  • 初期なら短期間スポーツ活動を一部制限するだけで治りますが、進むと一定期間局所の安静が必要となります。さらに進むと装具療法や、時には手術が必要となります。放置すると疼痛が成長終了後にも残ることがあります。

オ 鵞足炎

(症状・原因など)
  • 運動をすると、膝の内側の、お皿のやや下の部分が痛く、ゴリゴリした感じや、腫れをともなうことがあります。膝の内側には、大腿部から縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はくきん)、半腱様筋(はんけんようきん)のそれぞれの腱組織が、ひとまとまりになって付着しています。この部分を「鵞足」と呼んでいます。その「鵞足」の部分が、膝の屈伸をくりかえすことによってスネの骨の内側にこすれて炎症を起こし痛むのが、鵞足炎です。
  • 長距離走ランナーなど、長時間膝の屈伸をくりかえすスポーツを行う人に起こりやすいのが特徴です。また、X脚の人も、内側の靭帯と骨との摩擦が大きくなるため発症しやすいそうです。
(予防・処置法)
  • 予防と治療には、縫工筋、薄筋、半腱横筋のストレッチを行います。運動後にはアイシングをし、炎症をおさえます。