手関節・手指

2009 年 6 月 26 日 · Filed in ◎お役立ち情報, スポーツ医科学

スポーツ障害-外傷と障害-

ア 舟状骨骨折

(症状など)
  • 骨折の中で、最もよく見受けられる骨折です。転倒した際に手首の背屈(手首の反り)が強制され、有頭骨と橈骨茎状突起が衝突して骨折が発生します。転位(ずれ)のない症例(安定型骨折)と転位を認める症例(不安定型骨折)とに分かれます。
  • 症状は手首の痛み(snuff box:親指側で手首に凹みのある所の痛み)で、捻挫と思い放置されやすい症状です。握力の低下や運動障害を認められ、診断にはレントゲン検査が不可欠です。
  • 月状軟化症状(月状骨無腐性壊死・キーンベック病)や三角線維軟骨障害なども手首の捻挫と勘違いされやすい傷害です。

イ 突き指

突き指はスポーツ活動や日常生活動作の中でよく起こる外傷(ケガ)の一つです。一般的に、単なる指の捻挫と思われがちですが、中には腱の断裂や骨折、脱臼を伴うものもあり、早期に適切な診断と治療を施さないと後遺症(関節の痛み、運動障害、不安定性)を残し、後日問題となります。
代表的な疾患としてPIP関節(指先から数えて第二番目の関節)に発生するPIP関節脱臼骨折と、DIP関節(指先から数えて第一番目の関節)に発生するマレットフィンガーを紹介します。

<PIP関節脱臼骨折>
  • (症状など)
    • 突き指の際に、PIP関節(指先から数えて第二番目の関節)が過伸展(無理に反らされた状態)や軽度屈曲(少し曲がった状態)で長軸方向に外力が働いて発生します。PIP関節脱臼骨折は背側脱臼骨折と掌側脱臼骨折とに分かれます。大半が背側脱臼骨折です。
    • 症状はPIP関節の腫れや内出血、痛み、運動障害です。診断にはレントゲン検査が不可欠で、正確な側面像を写しだす事がポイントです。背側脱臼骨折は中節骨全体が背側に脱臼し、中節骨の掌側基部に三角形の骨片を認めます。逆に掌側脱臼骨折では中節骨全体が掌側に脱臼し、背側に骨片を認めます。
  • (対処・処置法)
    • 治療は徒手整復術を行います。不安定性がなければアルミニウム副子固定やギプス固定にて経過観察します。しかし、整復が困難な症例や骨片が大きい症例では経皮的なpinningによる整復術や骨接合術を行います。尚、固定期間やリハビリテーションは年齢や骨折のタイプ、固定方法によって症例ごとに判断されます。
<マレットフィンガー>
  • (症状など)
    • 突き指の際に、DIP関節(指先から数えて第一番目の関節)の過伸展(無理に反らされる状態)が強制されて骨折するタイプと、過屈曲(無理に曲げられる状態)が強制されて腱が断裂するタイプとに分かれます。いずれの場合も、DIP関節の屈曲変形(曲ったままで伸ばす事が出来ない状態)を認めます。骨折を有するマレットフィンガーではレントゲンにて剥離骨折を認めます。
  • (対処・処置法)
    • 治療はDIP関節を過伸展にして整復が得られればスプリント固定を6〜8週間行います。整復が困難な症例は経皮的なpinningによる整復術を行います。陳旧例(治療されずに放置された症例)の腱断裂では腱縫縮術や腱移植術を行います。尚、固定期間やリハビリテーションについては年齢や骨折のタイプ、固定方法によって症例ごとに判断されます。

ウ 手首・指のねんざ

<手首>

転倒した時に手首や指を痛めることがあります。

  • (対処・処置法)
    • すぐにR.I.C.E.処置を行い、炎症を抑えます。
    • 手首や指は日常生活でよく使う部分なので、無意識のうちに負荷のかかる動きをしてしまい、治りきらないうちにまた同じ場所を痛めてしまうことがよくあります。
    • 受傷後すぐに医者へかかれないような時には、割り箸などをそえ木代わりに用いて固定するのも良い方法でしょう。
      重度の手首のねんざは、骨折と区別が難しいので、必ず医師の診断を仰いで下さい。
<指>

指はねんざを起こしやすい部分です。特に親指は、衝撃によって靭帯のついている場所から骨折してしまうこともありますし、使用頻度が高いため「ねんざぐせ」がつきがちです。靭帯がゆるんで関節が不安定になったままだと、何度も同じ部分を痛めてしまうので、怪我を軽く見ないで、医師の診察を受けて下さい。

  • (対処・処置法)
    • 炎症がおさまったらリコンディショニング(機能回復運動)のプログラムを組み、関節まわりの筋肉を強化します。