STEP2 〜設立〜

地域の特性を生かし、総合型地域スポーツクラブを設立する段階

STEP2 〜設立〜

1.説明会での話題提供

総合型地域スポーツクラブを設立・運営するためには、まず多くの地域住民の方々が地域スポーツについて関心をもつことが必要です。そのためには地域のスポーツ活動の現状や総合型地域スポーツクラブについて啓発活動をすることが重要になります。行政の広報を利用したり、説明会やフォーラムの開催などを通じて、多くの地域住民にまちのスポーツ活動の現状やスポーツ振興の計画など適切な情報を公開し、さらに総合型地域スポーツクラブの理念や必要性について呼びかけ、話し合うことが必要です。それらの活動を通して地域住民の皆さんが、地域におけるスポーツの重要性や総合型地域スポーツクラブの考え方を共有しましょう。

地域におけるスポーツ活動の主役は地域住民の皆さんです。 そして既存のスポーツ団体は地域住民の主体的なスポーツ活動を支援する大切なパートナーとなります。 スポーツ団体や既存のスポーツチーム・サークルが蓄積してきたノウハウを最大限に生かして、総合型地域スポーツクラブの設立を目指しましょう。

2.地域の現状把握と分析

 1 現状分析

地域のスポーツの現状がどのような状況であるのかを理解する必要があります。現状を知らなければ、将来の計画も立ちません。また、やみくもに情報集めに走ると無駄がでます。市町村や教育委員会、検討委員などが個人として持っている情報などを把握しましょう。

■社会経済情報

人口、地理的条件、産業構造、世帯数、年齢構成、出生率、高齢化率、医療費

■地域を構成する組織と団体の把握

子供会、自治会、PTA、消防団、老人会、青年団、女性の会、NPO法人

■教育環境の把握

学校数と生徒数、運動部活動種目と加入率の動向、指導者数、学校開放状況

■スポーツ環境の把握

既存クラブ数と会員の増減、種目・指導者数、

イベントなどの開催状況、施設数と利用状況

■スポーツ参加者の行動的・心理的特性の把握

参加率、参加形態、阻害要因、総合型の認知度、運営の参加意欲、受益者負担意識

 2 経営資源の有効活用を考えてみる

どんな地域総合型スポーツクラブにするのか、地域の現状に合わない規模のクラブを設立しようとしても、絵に描いた“もち”でしかありません。
資源があなたの地域で眠っていませんか。

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 3 クラブ経営に必要な人材の発掘と活用

  • PTA
  • 地域の福祉やボランティア
  • 書類作成に長けたひと
  • 簿記や経理経験のある人
  • リサーチやマーケティング等の経験がある人

 4 組織間の連携・パートナーシップについて

既存の団体がそれぞれの立場でどんなことができるか考えてみましょう。スポーツ関係者に限らずさまざまな人の得意分野を生かした「ヨコ」の仕組みが、総合型スポーツクラブの鍵を握っています。

行政・公的機関
 組織間調整・統制とシステムの支援・制度化
学校・教育機関
 人的・物的資源の提供
既存事業団体
 初めてのひとに敷居の低いスポーツ参加の支援
地域クラブ・チーム
 活動安定化,地域交流・底辺拡大
民間企業
 スポンサーシップとインテリジェンスの提供
体育協会・レク協会・競技団体
 競技力向上と底辺拡大の支援
自治会・公民館・福祉団体
 ノーマライセ—ションの推進と地域での調整・文化支援
体育指導委員
 地域内の情報収集と活用のコーディネート
3.設立準備委員会の発足

新しいクラブをデザインし、クラブ発足当初の役員が決定するまでの業務を行う組織として設立準備委員会を設置します。

設立準備委員会の基本的な役割はクラブの目標や方針の検討 クラブの基本計画の策定つまり、皆さんの総合型地域スポーツクラブの青写真を描くことです。

単に、クラブをつくる事業計画ではなく、多くの人がスポーツに参加でき楽しめるクラブづくりが重要です。

■設立準備委員会の仕事

 (1) 地域ごとの地域スポーツ及び地域生活の課題の再確認・共有

 (2) 自主研修会の開催と先進事例視察

 (3) クラブの基本的な枠組みづくり

  1. 設立理念の明確化
  2. ゾーニングと活動拠点の検討(生活圏を基本として)
  3. マスタープランの作成
  4. 事業・組織・施設・予算・指導者・会費についての概要の検討

※マスタープランとは

長期的・総合的な視点からの基本構想を意味します。
単にクラブをつくる事業計画ではなく、多くの住民がスポーツを楽しむ「クラブライフ」や「地域のスポーツ環境」のビジョンを含んだ計画を作成することが重要です。

■メンバーを決めるに当たって

人選は各地域の実情に応じてさまざまだろうと思いますが、各団体等において役職をもっている人にこだわりすぎることなく、 多くの実働的な人たちから理解と協力を得ることが重要です。

設立準備委員会のメンバー構成(例)

  • 体育指導委員
  • 体育協会代表
  • スポーツ少年団代表(指導者)
  • 体育関係地区代表(スポーツ推進員)
  • 学校代表者・部活動顧問
  • PTA代表
  • 公民館代表
  • 自治会代表
  • 子ども会・老人会・婦人会代表
  • 既存地域スポーツクラブ代表者
  • 一般公募による住民
  • 行政担当者(オブザーバーとして)等
       ※オブザーバーとは会議で発言権はあるが議決権のない人のこと。

この設立準備委員会を進めていくためには、組織の中心となり推進する人物が必要です。地域社会に関係の人脈を広く持ち、地域に根ざしたスポーツ関係者や、総合型地域スポーツクラブの設立へのプロセスを経験した外部の専門家なども考えられます。

4.クラブデザイン

設立準備委員会は、設立しようとしているクラブのデザインをする必要があります。

規模、予算、施設、指導者、事務など新しいクラブの青写真を描く段階です。

「何を実現しようとしているのか」とったクラブの使命を明確化することが大切です。

  • 対象エリア
  • クラブの規模
  • 推進母体
  • 運営スタッフ
  • 指導体制
  • 活動プログラム
  • 拠点施設
  • 資金調達の方法
  • 設立までのスケジュール
5.合意形成と協力体制の確立

総合型スポーツクラブの必要性と魅力を関係者や関係団体に説明し、理解を得てもらうことが設立段階においてもっとも重要であります。一人でも多くの人、及び団体の賛同を得られるよう、根気強く、地道な働きかけがポイントとなります。こうした説明責任を果たすためにもととなる資料を作成しなければなりません。そのためにも現状の把握と分析は需要になってきます。

地域には、体育協会など長年にわたって活動を続けてきた既存のスポーツ団体やスポーツチーム・サークルが活躍しています。こうした団体に唐突に総合型地域スポーツクラブを設立すると伝えてもすぐには,理解が得られないでしょう。しかし、決してマイナス要因ではありません。考え方や意見が対立することによって、話し合いがもたれ、連携への新たな方向性や建設的な意見が見出されることもあります。総合型地域スポーツクラブの設立・育成は既存の団体の協力と連携がなければうまくいきません。

まずは、

  • 「地域におけるスポーツ環境をより良くするためにはどうしたらよいのか」
  • 「地域で活動しているスポーツ団体がどのような問題を抱えているのか」
  • 「地域社会の問題に対してスポーツは貢献できないか」

といったテーマで話し合いの機会を用意しましょう。

この「総合型地域スポーツクラブ」が目指す方向は、スポーツ少年団や学校運動部、地区の体育協会などと決して敵対するものではなく、相互に協力し合うことにより、それぞれの活動を、より活発化または活性化することを目指している、という点について、特に理解してもらうことが何よりも大切であると考えます。

6.設立総会

第2ステップのゴールとなるのが、設立総会の開催です、設立趣意書や規約の作成、予算や事業計画の立案、運営委員会のメンハーなど役員の選出、会員募集の案内など準備を行い、設立総会を開催します。

設立総会を実施する設立発起人会をすることが望まれます。

■発起人の人選

  • ・クラブ創設の提案者
  • ・地域の体育指導委員
  • ・自治会代表者
  • ・学校・PTA子供会・青年団、女性会、高齢者のクラブなどの代表者
  • ・社会体育施設長
  • ・学識経験者(医師、大学、社会教育など)

■発起人の任務

  • ・クラブ設立目的の確認
  • ・クラブ設立趣意書の作成
  • ・クラブの規模と募集対象
  • ・利用施設
  • ・指導者
  • ・事業計画
  • ・予算書
  • ・広報・宣伝
  • ・会員書・請求書・領収書など作成
  • ・事務備品整備

■設立趣意書の作成

 設立趣意書は、クラブの設立理念・目的を外部に対して表明する最も重要な文書です。

■クラブ規約の作成

クラブ規約は、組織を運営する基本となります。 総合型地域スポーツクラブは規約に則って、公明正大に運営される必要があります。 規約は以下のような内容で構成されます。

  • ・総則(クラブの名称と所在地)
  • ・目的
  • ・事業
  • ・会員(資格・手続き・会費など)
  • ・役員及び事務局(役職・選出方法・任期・任務など)
  • ・会議(総会や運営委員会などの運営組織とその役割)
  • ・会計規約の改定(会計年度・会計の原則・資金の管理など)
  • ・クラブの解散
  • ・付則(施行日など)

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