STEP1 〜理解〜

総合型地域スポーツクラブへの理解を深めてもらう段階

クラブづくりには地域スポーツの現状とその意義を考えることから始めましょう。地域の中で、スポーツ活動を通して生活をより豊かにするために、どういう方法が考えられるかについて話し合うことが大切です。

話し合いの場として、既存の地域のスポーツ団体が集まって、現在の地域のスポーツ活動における充実の実現に向け、総合型地域スポーツクラブの検討委員会(仮称)のような組織をつくり意見交換してはどうでしょうか。

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STEP1 〜理解〜

1.社会環境とスポーツ環境の変化

現在のスポーツ振興の仕組みの問題点を考えてみましょう。

現在のスポーツ振興システム

現在のスポーツに親しむ機会や活動を行う場は、一時的かつ分断化されており、継続を確保するための仕掛けがなかったために年齢を重ねるとともにスポーツ参加率が低下する傾向があります。また、広がりを見せる種目に関しても、横のつながりもなく種目と活動が織りなすスポーツライフは、目の詰まっていないため隙間から、参加者がポロポロこぼれ落ちてしまうようなスポーツ振興システムでした。

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2.スポーツの課題

徳島県が平成15年度におこなった県政モニター報告書(報告書第72号)によると日常生活の中でスポーツの必要性を感じることがありますか?との問いに「よく感じる」と答えた人が43.8%おり、(N=265)「ときどき感じる」を併せると90%近くの人がスポーツの必要性を感じています。

その一方、スポーツに取り組まなかった方の理由を見てみると(複数回答)、「仕事家事が忙しくて時間がないから」55.1%、「機会がなかったから」52.8%、「仲間がいないから」29.2%などがあげられており、特に半数以上のひとがスポーツをする機会に恵まれなかったと答えていることから、多様なスポーツ活動を実践でき、地域のコミュニティの形成や活性化につながる総合型地域スポーツクラブの育成が必要です。

そのほか、スポーツにはさまざまな課題が上げられています。

スポーツのさまざまな課題
少子高齢化
スポーツ人口の減少 人数がそろわない
高齢者の健康維持増進
スポーツの文化的価値
スポーツは「楽しみ」や「遊び」といった考え方がある
施設利用飽和状態
既存の施設が飽和状態になっている?
 子供のスポーツ
  • 運動能力・体力低下
  • 運動する子供としないことの二極化
  • 過剰なスポーツ活動
  • 指導者と保護者の意識改革・子供たちを取り巻く環境
  • 子供の運動能力・体力が年々低下傾向にあります。
  • 運動する子供と、全くしない子供
  • 勝利至上主義や指導者の偏った考え
  • スポーツや運動が子供の育成に重要であることの理解
  • 子供の遊び場=テレビゲーム
企業スポーツ
企業チームやクラブの経営困難
学校・運動部活動
勝利至上主義、部員数の減少、
教師の高齢化・過重負担
競争力低下
国際大会での活躍
一環指導体制
各年齢に応じた適切な指導体制の整備
例えば中学校3年から高校入学までの間など)

このような地域スポーツの課題を解決するために、日本独自、地域独自のスポーツを振興するための手段として「総合型地域スポーツクラブ」という考えが生まれました。

企業におけるクラブの休廃部や、少子化のために学校のクラブ活動が低迷してきているといった従来のスポーツ活動の基盤が大きく揺らいできました。こうした現状の中で、継続的にスポーツ活動を行う基盤を保障するため、拠点となる施設をもち、会員が主体となって組織する「総合型地域スポーツクラブ」の設立育成が必要となってきました。

3.総合型地域スポーツクラブのメリット

わが国の既存の地域スポーツクラブは、ほとんどが単一種目のスポーツクラブであり、会員が固定的、ゲーム中心、拠点施設がないなどの問題がありました。

総合型地域スポーツクラブは、クラブ運営のノウハウや練習計画、指導者、活動のための拠点や場所や用品具、クラブ運営の資金などを共有することによって、効率的な活動が可能となります。

■ 総合型地域スポーツクラブは

  1. 地域住民が自主的に運営
  2. 拠点となる施設を持っている
  3. 複数のスポーツ活動を実施
  4. 有資格のスポーツ指導者が配置されている
  5. 青少年から高齢者に至るまで幅広い年齢層が参加
  6. 地域住民の交流の場がある

などの特徴を持っています。

このため、地域住民の健康・体力増進に資するだけでなく、スポーツの潜在人口の掘り起こし、豊かなコミュニティつくりなどに寄与する役割を担うことになります。

4.スポーツクラブの創設意義

(1) 豊かなスポーツライフをつくるために

■スポーツ活動の継続性

スポーツは、継続的かつ定期的にスポーツを実践することによってより高められます。地域のスポーツクラブは、生活の中にスポーツ活動を位置づけることを可能にする(スポーツの生活化)と共に、メンバーにとっては生涯にわたる長期的なスポーツ活動の“場”となるものです

■スポーツ活動の合理性

スポーツ活動が一定の効果を生むためには、適切な段階を踏んで合理的に行われなければなりません。専門指導者の支援をうけてクラブの目的を計画的に達成しようとするため、スポーツの効果も期待しやすく、効果があらわれれば更なる意欲も湧き、スポーツの深い楽しさを味わうことができます。

■スポーツ活動の組織性

共にスポーツを楽しむ仲間が互いに協力し、支え合いながら共通の目的に向けて活動を展開する時,スポーツの喜びは−層大きなものになります。スポーツクラブでは、目標をみんなが共有し、様々な役割を分担しあって目標達成に向かうことで、仲間意識を育み、コミュニケーションを活発にし、スポーツを通じてお互いの人間関係を築き上げることができます。

■スポーツ活動の自律性

自立性とは、スポーツを支える条件(活動場所や用具、仲間、活動内容、指導者など)を活動する人たち自身の力で決めたり、整えたりすることです。総合型地域スポーツクラブでは、メンバーが互いに協力しながらこれらの条件を自前で整えることを原則としています。

(2) 豊かなコミニティーをつくるために

■開かれたクラブ

地域のだれもが参加できるクラブで広く開かれたクラブで(地域に根ざしたクラブ)運営はクラブの協働によって、賄われるものでなければなりません。

もちろん活動内容や事業方針とともに会費等によるクラブ運営が重要となります。(クラブの公共性)クラブ活動は会員のものだけでなく、スポーツ以外の地域団体と協力し、さまざまな生活課題に取り組む住民団体です。

地域のだれもが参加できるクラブで広く開かれたクラブで(地域に根ざしたクラブ)運営はクラブの協働によって、賄われるものでなければなりません。

地域総合型スポーツクラブは、これまので学校や企業、行政や競技団体が担っていた従来のスポーツ振興体制に新たに「地域」が名乗りを上げることです。これまでになかった新しい発想の導入により、成熟した地域社会へ導こうとするものです。

5.具体的なイメージ

「どんなクラブをつくりたいのか」といった具体的なイメージを描くためのクラブ情報を収集します。 先進地地域を視察したり、関係者の話を聞いたりなどするとイメージがふくらませやすくなります。これまでに多くの市町村やスポーツ団体がクラブを立ち上げています。具体的なイメージを描くために先進地の事例や視察などを参考にするとイメージが沸きやすくなります。

6.地域間連携の必要性

私たちは、だれもが自分の住む「まち」が美しく、ふれあいがあり、活気に満ちた暮らしやすい場所であることを望んでいます。

これからは、地域の人たちが積極的に参画し、地域の自然や文化、産業などを生かすとともに、情報化・国際化・高齢化などの現代社会の課題に対応した特色ある地域づくりを進めることが求められます。

総合型地域スポーツクラブとは、住民の多様なスポーツの期待を踏まえた仕組みに組み替えていこうとするものです。地域のスポーツ振興という新たな取組が活力を育み、新世紀の自主・自立したまちを創造していくものと考えられます。

 

■21世紀のキーワードとして次のようなことがあげられます。

  • 自立し、主体性を持った住民(だれかがやってくれるから自分がする時代へ。NPO法人)
  • 成果主義 (事業に対し成果、結果が求められる。)
  • 組織間連携・組織間共同働(単独ではなく関係をつくりながら目的を果たす)

総合型地域スポーツクラブをつくり育てていくためには、地域の住民が主体的に取りくまなければなりません。

 

7.地域活性化と公共性

総合型地域スポーツクラブは、スポーツ振興という取り組みを通して、“「わがまち」”をよりよい生活空間にしよう。」というものでもあります。ですから合型地域スポーツクラブを設立する際には、スポーツ活動だけでなく、住民の皆さんが地域生活の中で気づいた、まちの特性や生活課題を考えることが必要です。スポーツ活動を通じて、その問題を解決できるかもしれません。例えば、完全学校週5日制にともなった子どもの生活の問題や高齢者の生きがいづくり、青少年の健全育成などは,皆さんの地域では問題となっていませんか。スポーツだけでなく地域の諸問題を考えることにより、「地域」というものが見えてくるかもしれません。また、これらは、総合型地域スポーツクラブを設立する上で重要なヒントにもつながります。できるだけ多くの人に関心を持ってもらいようにしましょう。例えばまちの広報誌に載せたり、メディアを活用したりすることができたりするのではないでしょうか。

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