Archive for 総合型地域スポーツクラブ

第2回全国スポーツクラブサミットに参加して

第2回全国スポーツクラブサミットの概要

谷川滋紀

 

東京オリンピック(1964年開催)以降、都市部を中心とした商業スポーツクラブも社会に溶け込み、その後、 2000年にスタートした「国のスポーツ振興基本計画」に基づぐ総合型地域スポーツクラブも年々増加してきました。第2回の全国スポーツクラブサミットでは、我が国の生涯スポーツの施策と展望、我が国の生涯健康の施策と展望、スポーツ振興くじ(toto)とスポーツクラブの財源の3つの特別講演に加え、さらに具体化したスポーツ振興くじ(toto)助成金申請のポイントの解説また、各種スポーツクラブが抱える諸課題に焦点を当てた事業の取り組みなどについて話し合われました。

 

●開催日:平成21年11月14日(土)~15日(日)

●場 所:国立オリンピック記念青少年総合センター

●参加者:137名(別添参加者名簿参照)

●講演内容:別冊資料等参照

 

1 『開講式』(13:0013:10

  挨拶:(財)日本スポーツクラブ協会 副会長 後藤忠治氏

  祝辞:文部科学省スポーツ・青少年局生涯スポーツ課 坂元譲次氏

 

2 『我が国の生涯スポーツの現状と課題』(13:1514:15

  (文部科学省スポーツ・青少年局生涯スポーツ課 スポーツ指導者専門官 猪股康博氏)

 ① スポーツ振興基本計画を策定し13年間で約3,000の総合型地域クラブが育成されているが、今後、総合型地域スポーツクラブが抱えている課題(会員の確保・指導者の確保・財源の確保・クラブハウスの確保)解決に向け取り組んで行きたい。

 ② これからの総合型クラブの育成は、地域スポーツの構造改革が必要であり、地域コミュニティの再生や循環型社会の形成(人づくり)づくり、学校との連携による運動部活動の充実、生活習慣病対策など民間企業や大学などと連携を深める必要があり、国としても支援していきたい。

③ 運動(スポーツ)をまったくしていない国民が22%いる。日本人は生活習慣の中にスポーツや健康づくりを行うという意識が少なく感じる。

 

3 『我が国の生涯健康施策と展望』(14:4015:40

  (厚生労働省健康局総務課 生活習慣病対策室 主査 木下美鳥氏)

 生活習慣病(メタボリックシンドローム)やこれまでの我が国における健康づくり運動について別紙資料に基づき説明があった。また、健康日本21の中間報告を踏まえ、高脂血症(脂質異常症)、糖尿病の患者数は特に中高年男性で改善していないことや、肥満者の割合や日常生活における歩数は改善されていないと説明があった。

 

今後の分野別の取り組みとして下記の内容を充実させる。

≪栄養・食生活≫

  ・食事バランスガイドの普及啓発 ・食育と連動した国民運動の推進 ・健診後の栄養指導の充実

 ・管理栄養士の配置などの体制整備など

≪糖尿病・循環器疾患・ガン≫

  ・メタボリックシンドロームの健診 ・保健指導の実施 ・ガン検診の促進など

≪身体活動・運動≫

 ・健診後の運動指導の充実 ・「エクササイズガイド2006」の普及と改善 

・健康運動指導士等の育成の促進

≪たばこ・アルコール≫

  ・禁煙指導の充実 ・未成年の飲酒防止など

今後このような事業展開する中で、総合型クラブとの連携や協力体制が必要不可欠となる。

 

4 『スポーツ振興くじ(toto)とスポーツクラブの財源』(16:0016:40

  ((独)日本スポーツ振興センター 理事長 小野清子氏)

スポーツ振興くじ制度が導入された経緯と分配金やスポーツ振興くじかもたらす有用性などについて説明があった。また、国の財源が厳しい中、スポーツ振興くじを有効活用し我が国のスポーツ振興を図っていきたいと説明。

平成14年から実施している助成額は約164億円、これまで国庫に約114億円を納付し、教育・文化の振興、自然環境の保全、青少年の健全育成、スポーツの国際交流に関する事業に充当されている。

  平成21年度スポーツ振興くじ助成金内定額は1,546件・6,101,031,000円(内総合型地域クラブ活動助成は757件・1,742,596,000円)

徳島県の総合型クラブにおいては、これまで40件・53,887,000円の助成を受け、クラブの育成を図っている。

 

スポーツ振興センター小野理事長の説明後、引き続き助成金の申請について説明があった。

 

5 『スポーツ振興くじ(toto)助成金申請のポイント』(16:4017:50

  ((独)日本スポーツ振興センター助成課課長補佐 山本幸男氏)

地方公共団体及びスポーツ団体(法人格を取得している団体に限る)が直接申請する事業について説明があった。(法人格を取得していない総合型クラブは日体協を通じて申請する。)また、会員数による助成額の変更やクラブマネジャーの資格制度や配置等について説明があった。総合型クラブ自立支援事業や活動基盤強化行(5年間)の助成終了後は『スポーツ団体スポーツ活動助成(スポーツ活動推進事業)』を継続的に申請することができるなどの説明があった。

 

 

6 事例発表A『スポーツクラブの継続と発展』~会員確保とその継続~(9:2010:10

  (コーディネータ 桐蔭横浜大学 教授 園山和夫氏)

  (発表者 セントラルスポーツ株式会社 取締役副社長 中澤眞逸氏)

  生涯スポーツ社会の実現を目指すためには総合型クラブの果たす役割は大きい。地域クラブとして活動するためには体育指導委員との連携が必要である。

 

 ≪スポーツクラブの経営≫

・地域のニーズや欲求を把握する必要がある

 ・ホスピタリティーに満ちた精神が運営者には必要

・会員とのコミュニケーションを十分図る

(会員同士のコミュニケーションも重要)

・信頼関係を構築されれば会員確保に繋がる

 ≪会員の確保・継続の具体的戦略≫

  ・生活の一部にスポーツを取り入れることが必要

  ・日本のスポーツ文化をどう変えていくか

≪スポーツクラブの経営哲学とその具体的戦略≫

 ・施設管理、ソフト(人)、プログラム、マネージメントがかみ合っていないと運営ができない

 ・サービス業では、受付(フロント)の接客態度が重要である

 ・パーソナルトレーニングができるようインストラクターの資質向上を図る

 ・年齢に応じたプログラムをリニューアルしながら取り入れていく

 ・利用率の悪い会員には手書きのメッセージを送付するなど、クラブマネジャーの経営能力が必要

 

これまでは、「AIDMA」の法則がもてはやされていた。(マスメディア重視の「メディアミックス」発想のマーケティング)から「AISCEAS」法則が現在のコミュニケーション理論の主流となる。(WEBを軸とした「クロスメディア」発想のマーケティング活動)

これからの時代はインターネット入会予約システムの構築、ホームページ作成(PC&携帯)、ポスティング・チラシでインターネット入会予約を告知、などを行うことで会員の確保を図る必要がある。

 

 

事例発表B『スポーツクラブの継続と発展』~スポーツ施設の指定管理への参入~(10:2011:10

(コーディネータ 順天堂大学 非常勤講師 宮﨑朋子氏)

(発表者 NPOこすぎ総合スポーツクラブきらり クラブマネジャー 西川秋子氏)

まず、宮﨑さんから指定管理者制度と総合型クラブについて説明があった。→ 2003年の地方自治法244条の改正に伴い、「指定管理者制度」の導入が開始され、総合型クラブも財源の確保等として指定管理を受けるクラブが増えてきた。平成21年度7月1日現在で100クラブが指定管理を受けている。

 

≪公共スポーツ施設を取り巻く諸課題≫

・意識さてれこなかった「利用者満足度」

・公平性を重視した利用、予約制度の弊害(既得権の行使)

・作業的、機械的な管理運営

・「場所貸し」が中心。魅力的なプログラムの欠如、マンネリ化

・指導系職員の配置割合の低さ

≪指定管理者制度導入のポイント(指定管理者への期待)≫

・行財政の効率化(行政コストの縮減)、行政改革の推進

・住民サービスの向上

・地域経済の活性化、雇用創出

 

宮﨑さんの説明後、富山県の『NPO法人こすぎ総合スポーツクラブきらり』の概要説明と指定管業務に伴う問題点や改善点などについて説明があった。

≪指定管理のメリットとデメリット≫

・行政のメリット→サービスの向上、経費の削減

・クラブのメリット→安定活動費(事業収入の確保)、クラブのPR、活動場所の確保(事業の低的な開催)、利用者の相談窓口

・利用者のメリット→サービスの向上、利用申込が簡単に、休館日の縮減

 

 

事例発表C『スポーツクラブの継続と発展』~健康運動プログラムの導入~(11:2012:10

 (コーディネータ 関東学院大学 教授 鈴木秀雄氏)

 (発表者 NPO法人姶良スポーツクラブ 施設長 北野隆行氏)

 鈴木氏 → ①よい指導者 ②よい施設環境 ③よいプログラム がなければクラブの継続・発展には繋がらない。スポーツや運動に対する既存のイメージの払拭や旧態依然の記憶を最新の情報と時代に即した形態に更新する『上書き保存』をすることが必要である。

また、健康づくりなどの指導者資格のあり方についても公営法人化が進む中、2・3年の間に見直されるのではないか。

 健康運動プログラムを取り入れているNPO法人姶良スポーツクラブの事例発表では、クラブの中に健康運動指導士と保健師の資格を持っていた職員がいたのがきっかけとなり事業が開始された。40歳~74歳までの特定保健指導対象で積極的支援者を対象に事業を行った。行政から1人当たり31,000円の補助を受ける。積極的支援者のうち1割がプログラムに参加(参加率が低いのが課題となっている。)

行政や民間企業などと連携した健康づくりプログラムを発展させることで、クラブの存在感などを周知し、会員確保に繋げていきたい。

 

 

7 『コンサルティングコーナー』(13:2015:00

   各コーナーを設置し事例発表の質問や疑問について意見交換した。

 

8 『閉会式』(15:0015:10

   挨拶:(財)日本スポーツクラブ協会 理事長 浦井孝夫氏

   参加者は修了証を受け取り閉会した。

徳島県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会

徳島県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会

 

会長 鍋島 龍夫

 

 総合型地域スポーツクラブは文部省(現:文部科学省)が2000年にスポーツ振興基本計画を策定し,2010年までに全国の市町村に総合型地域スポーツクラブを少なくとも1つ以上育成することが発表されました。

 徳島県においては,2004年3月に吉野川スポーツクラブが設立されたのを皮切りに,順次スポーツクラブが立ち上がり,現在では25クラブが創設され,小松島市,那賀町,東みよし町の3市町でクラブが創設準備中となっています。

未だ上勝町,神山町,牟岐町,つるぎ町の4町が未育成でありますが,早くこの4町も総合型クラブが創設されることを願っています。

 以上のように,現在徳島県においては,28のクラブが独自性を出し色々なプログラムを持った活動をされているところでありますが,残念なことに横の連携がなく,クラブ間交流や情報交換が十分とは言えません。

 このような状況の時に,(財)日本体育協会の主導により,各県に総合型地域スポーツクラブ連絡協議会を設置するために,2009年2月6日に東京で「全国総合型地域スポーツクラブ連絡協議会」の設立総会が開催されました。

 設立の目的は,全国に育成された総合型クラブの一層の充実・発展を図るため,総合型クラブの社会的な認知度を向上させると共に,各クラブ会員のさらなる加入の促進,さらに,総合型クラブの円滑な運営に資する情報交換や交流を活性化することで,クラブ間の連携の仕組みを構築するという内容の下に設立をされることになりました。

 元来思うに,最初に全国ありきではなく,まず下部の県単位での連絡協議会を立ち上げ,続いて四国ブロックと積み重ねていった方がより一層,充実した協議会になるのではないかと思っておりました。

 徳島県では四国に先駆けて全国連絡協議会の設立に遅れること1ヶ月,平成21年3月17日に設立総会を持つことができました。

 本会においては,総合型地域スポーツクラブの定着・発展を促進するため,その円滑な運営に資する情報交換や交流の活性化を図り,もって徳島県の生涯スポーツ振興に寄与することを目的とし,次の事業を行うことにしています。

 

 1 総合型クラブの情報交換と交流

 2 総合型クラブへの活動支援

 3 総合型クラブの財源確保に対する支援

 4 総合型クラブの社会的認知の向上と広報活動

 5 総合型クラブ育成に関する調査研究

 6 その他目的達成に必要な事業

 

 これからは,総合型地域スポーツクラブ連絡協議会を核として横の連絡・連携を強化し,事業の目的が達成され,お互いの総合型クラブが地域の中で市民,町民の健康増進・維持に繋がるよう活動していけばよいと思っております。

今後とも,総合型地域スポーツクラブ発展向上のため,これまで以上の御支援,御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

NPO法人あいずみスポーツクラブ設立

2008 年 7 月 17 日 · Filed in スポーツコラム, 総合型地域スポーツクラブ

会長 鍋島龍夫

平成16年10月3日に皆様方のご協力により、県内第9番目の総合型地域スポーツクラブ「あいずみスポーツクラブ」として設立・発足することができ、今日まで順調に会員数も増加し、併せて教室も充実してまいりました。
(さらに…)

総合型地域スポーツクラブの現状と課題

2008 年 5 月 19 日 · Filed in スポーツコラム, 総合型地域スポーツクラブ

徳島県体育協会クラブ育成アドバイザー北條種一

地域住民が世代を問わず多様な種目やレベルで気軽にスポーツに親しむことできる総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型クラブ)は、文部科学省が平成7年度から育成モデル事業を始め、現在、日本体育協会の委託事業としてクラブ育成に向けて全国各地で取り組みが行われております。
(さらに…)

新人マネージャー覚書 其の一

鳴門市総合型地域スポーツクラブ設立準備委員会マネージャー 神田真奈美

悩めるマネージャーさんへおすすめ本
「依存する人」を「変化を起こす人」にどう育てるか?
内田和俊 著 日本実業出版社 定価1400円
(さらに…)

連絡網について

徳島県広域スポーツセンター y.m

不意に教室が中止になった時やイベントの通知など決まった参加者にどのようにして情報を伝えていますか。電話での連絡網が一般的ですが、深夜や早朝では電話ができないし、途中で内容が変わってしまったり、連絡が途切れてしまったりと伝わらなかった事はありませんか。かといって、お世話係さんが全員に連絡するのも大変手間がかかるものです。メールを使うのもひとつですが、インターネットを利用した連絡網システムをご紹介します。
(さらに…)

連載1:地域はどう変わったか?

2008 年 3 月 28 日 · Filed in スポーツコラム, 総合型地域スポーツクラブ

徳島大学総合科学部 准教授 長積 仁

1.「ファスト風土化」する徳島?

スポーツのことについて、論じる前に、少し現在の地域がどのように変わったのかを考えてみたい。本来、地域とはある一定の境界内で、そこに住む人々が互いに関係を持ちながら、生活を営む場所である。つまり地域とは、その地に住む人々が調整・連携・融合を図りながら、生活を織りなすための場であり、生活という営みを行う人々によって形成された集合体、また集団とも考えることができる。
(さらに…)

指導者活用の現状と今後の課題や方向性

板野ぴょん太スポーツクラブ クラブマネジャー 奥谷あけみ

一 言で指導者といってもいろいろあり、一くくりにまとめることは難しい問題である。特にスポーツ指導者は、評価のしにくいものである。プレーは一流だが、指 導力に欠けるとか、プレーはあまりうまくないが、みんなに好かれているなど。求められているスポーツ指導者とはいったいどのような人なのだろうか?事業主 体側としては名のある有名人を選択したがる。しかし、経費は抑えたい。わからないわけではないが・・・個人のスポーツ愛好会では、基本を教えてくれればい い、という簡単なものから、有名人に会ってみたい感覚のものもある。 (さらに…)

スポーツ指導者の活用

いけだスポーツクラブ クラブマネジャー 大西真知子

地域スポーツ振興の閉塞や地域・社会の問題を解決するための方策として選択した総合型地域スポーツクラブに係わる立場として、スポーツ指導者の活用について述べたいと考えます。

コーディネーターとして、各市町村の訪問や、何度か状況の聞き取りをさせていただきました。体育指導委員や体育協会加盟団体、スポーツ少年団での個々の活 動は活発に実施し、指導者も積極的に活動しているものの、指導者情報の提供やデータベース化、指導者間のネットワークも少ないのが現状のようです。現在ス ポーツを行っている人だけを対象にした活動にとどまっており、閉ざされたシステムのイメージが強いように感じられます。組織や団体間の横のつながりと年代 間の縦のつながりにも欠けているようです。 (さらに…)

指導者の充実で魅力あるクラブに

Rexなかがわ 井澤 秀樹

昨年11月より今年の2月まで約3か月をかけて、県南部ブロックの8つの市町と5つの総合型地域スポーツクラブを訪問しました。

8つの市町の内、総合型地域スポーツクラブが現在設立されているところが4市町(内2つのクラブがあるところが2市町)で、設立が未定であったり準備中で あったりするところが4市町ありました。それぞれに実情に差異があり、地域が抱える課題も多く、担当している人たちのご尽力に頭の下がる思いがしました。 (さらに…)